19歳になる前日の私は、何もかもに満たされた気持ちでいっぱいだった。
20歳になる前日の私は、鬱気味だった。
「20」という数字に自分が負けそうな気がしたから。
案の定、2年間に渡って葛藤することとなった。
常に移り変わる環境に臨機応変に対応できない自分。
憔悴した心。笑顔は、愛想笑いに変わり、強く信じていたものは、歪んだ。
それでも不思議なもんで21歳になる前日の私は、葛藤という言葉を忘れた。
歳を重ねることに楽しみをもてはじめた21歳。
それは、少しだけ自分の未来に足が向いたからなのだろう。
それは、私を囲む彼らのおかげなんだろう。
それは、私の住処に一本の柱が建ったからなのだろう。